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43.猩々の棋創作「ふるさとの民話狂言」

 2016年第16号  - 猩猩 梅原 陽介 -


  •  綾部を離れて早六年余、本年九月十日に入り七年目を迎えたところであります。悔いする処は何もありませんが、敬意と感謝の念を持つところは多くあります。
  •  旧位田橋から望む上流に立ち込める初秋の川面の霧、藤山(通称寺山)から北側にたなびく春の雲海、由良川を満華に染める水無月祭りの花火、郡是製糸本社前の佇まい等など。
  •  事の他、思われるのは、けつまずきたる時、病の床に伏したる時、わが道を見失うが時、嬉しき時にも哀しき時にも、わが意を理解し、支えてくれた幾多の面々、何れをとってみても忘れ難き故郷の風景・人情であります。
  •  わが故郷を思う心を以って、長年書き貯めてまいりました思いの一つを、ここに、奉げたいと思います。
  •  筆者は、若年より民話の採譜をやっております。採譜と云っても、古老の語りを聴き取り、成文化するものではなく、古書や史書、あるいは、聞き及び語り継がれを聞いて、自分で消化し本筋は残し、聞きやすく、語りやすく創作を加えて行くものであります。
  •  そんな活動を、かれこれ30余年、従って、幾つか書き貯めて来た内の幾編かは、民話・童話の棋創作と云う事になります。
  •  そんな中で、いくつかの民話を狂言として仕立てました。
  •  今回はその一話をご紹介したいと思います。
  •  題して「故郷狂言」二作
    • 「六左衛門さん赤ぁかいな」
    • 「仁王の力くらべ」
  •  原作・梅原陽介
  •  劇作・小笠原匡(和泉流狂言師、萬狂言関西支部理事)
  •  監修・野村五世万乃丞(故七世万蔵)(総合芸術家)(2004年平成16年6月10日享年44才)

                                         

  • 「六左衛門さん赤ぁかいな」

六左衛門さん赤ぁかいな

  • 解説:
  •  京都府綾部市豊里地区(加治屋町・小西町)旧小畑村あたりに伝わる昔話であります。
  •  主人公の六左衛門さんは、粗忽者として登場してまいります。が、さにあらず、この地方をまとめていた庄屋さんであります。
  •  名を、小畑村庄屋小畑六左衛門と云い非常に見識の深い方であった様であります。そんな人が何故、粗忽者に成ってしまったかと云いますと・・・。
  •  六左衛門さんは、旅が好きで、よく京や大阪へ出かけていたようであります。その度に、珍しいものや面白い話を仕入れて来ては、皆を集めて、飲食を振舞ったり、話をしてやったりしていたと云う事であります。
  •  面白い話をしてくれる六左衛門さんが、誰云うとなく面白い六左衛門さんとなり、やがて粗忽者の六左衛門さんと成ったと云う事であります。
  •  世に云う「きっちょむさん話」などは、六左衛門さんの十八番であった様です。
  •  そんな六左衛門さんの話の一つが「六左衛門さんあーかいな」であります。
  •  あらすじは、六左衛門さん今日は早朝より京へ上ります。寝過ぎた六左衛門さん、慌てふためき走りだしました。
  •  ささ、この先どうなることでしょう・・・。

 

六左衛門さんあーかいな

 

 六左衛門さんあーかいな

六左衛門さんあーかいな


六左衛門さんあーかいな

六左衛門さんあーかいな

六左衛門さんあーかいな


  •  「仁王の力くらべ」

仁王の力くらべ

  • 解説:
  •  仁王とは、二王とも書きます。つまり一王が何処かに居ると云うお話なのですね?
  •  本当は、二階建て門『二重門』の事を二王門と云い、像の事を仁王像『金剛力士像』と云い、像の安置されている門を仁王門と云う事のようです。つまり、一王などと云うのは何処にも存在しないのであります。
  •  が、さておき、お話の中での、一王は何処に居るのでしょうか。
  •  物語はここから始まります。
  •  このお話は、京都府は綾部市上林睦寄(旧は、何鹿郡上林村)に古くより語り継がれている昔話であります。
  •  上林に君尾山と云う山があります。その山の中腹に光明寺と云う寺があります。その寺の山門には、仁王様が阿吽の呼吸も厳めしく、立っておられます。
  •  因みに、この二王門は、二階構造を成しており現存の二王門としては、稀少であり、故に国宝とされております。また、光明寺は、聖徳太子の創建とされており、国宝二王門は、宝治2年(1248年)鎌倉時代の建立であります。
  •  この由緒正しき山門に鎮立する仁王が、一王を探しに、はるばる唐天竺まで出掛けて行く、と云うお話であります。
  •  さて首尾よく見つかるのでありましょうか・・・・・。

 

 















 

  • と、まあこんな具合であります。如何でしょうか。
  •  狂言舞台の前列には、子供たちが陣取っている。こんな情景が実現できれば万々歳であります。
  •  生前、今は亡き野村万乃丞師とこの実現を是非ともやろうと目論んだ話でありました。が、残念ながら早くして(没42歳)師は、急逝され、今は遠き思い出となってしいました。
  •  この期に及んでは、後継者の皆さんに是非ともご尽力頂きたいものであります。
  •  何年か前に昔話を狂言にと云うお話があって、「萬狂言」(野村家主宰)の方にこの二作を提案させ頂いたのでありますがいまのところ・・・。
  •  何れにしましても、筆者としては、機会があれば創作&棋創作を続けていきたいものであります。

 

平成28年 10月猩々記 

 

  • ※今回の「六左衛門さん赤ぁかいな」「仁王の力くらべ」は、PDFファイルでもご覧いただけます。
  • ※ご希望の方は、下記のリンク、または画像をクリックしてください。(別ウィンドウが開きます)


ふるさとの民話狂言「六左衛門さん赤ぁかいな」「仁王の力くらべ」PDF版


 

 

 

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